KEDI BAŞKAN

ケディバシュカン

KEDI BASKAN(ケディバシュカン)

ケディバシュカン

NESTbyTHESEAで提供している「ギャロ」「スマトラマンデリン」「コロンビア」という3種類のコーヒーは、常滑にある人気カフェ「KEDI BAŞKAN」から豆を仕入れています。今回のインタビューでは、「KEDI BAŞKAN」の焙煎士・福濱さんにお話を聞きました。

昔は、コーヒーなんて雰囲気で飲むものだと思っていました。

NESTbyTHESEAから国道155号線を南に下り数分の場所にあるカフェ「KEDI BAŞKAN」の福濱さん。話を聞いてみると、もともと生まれも育ちも名古屋で、普通の会社勤めをしていて、10年ほど前には名古屋の大須に住んでいたと言います。それが常滑でお店をオープンさせることになったのは……。
KEDI BASKAN(ケディバシュカン)
昔は名古屋の大須のマンションに住んでて、自分で部屋の内装とかもやってたんです。人を部屋に呼ぶことが好きだったし、奥さんが料理好きだったから、ふたりでカフェをやれるんじゃないかって話をして。その頃は会社員だったので、じゃあ週末だけマンションでカフェをやろうってことで、趣味で週末カフェをやるために土日休みの仕事にしようと思って転職もしました。仕事がサービス業で不定休だったから、仕事を変えたわけです(笑)。それでマンションの管理人さんに“週末だけ部屋でカフェをやりたい”って伝えたら、不特定多数の人が出入りするのはダメって言われてしまい……。その時点で仕事も変えて、食品衛生の許可も取って動き出していたから、仕方なく看板は出さずにひっそり始めました。
 
そうしたら、いまと違ってネットもSNSもなかった時代なので、隠れ家どころか誰にも見つけられない隠れ過ぎカフェになってしまった。準備をしてもお客さんが来ない日もあって、本当になにやってんだろうって奥さんとも真剣に喧嘩になりました。そんな経験もあって、ちゃんとお客さんに来てもらえるお店を出したいって思ったのが、いまのお店の始まりですね。
 
ちなみに、コーヒーは好きでしたけど、その当時はコーヒーなんて雰囲気で飲むものだと思っていて、味や香りは全く意識していませんでした。でもお客さんに教えてもらった名古屋の美味しいコーヒー専門店に足を運んだら、それまで全然気づいていなかったコーヒーの個性も感じられて、むちゃくちゃ美味しい!と思ったんです。
 
そんな経験をキッカケにコーヒーの勉強もしようと思って、平日はサラリーマン、週末はカフェをやりながら、東京のコーヒー屋さんまで勉強のために通いました。その後に縁もあって今の物件と出会って、業者さんにお願いするお金もなかったので週末を使って1年半ぐらいかけ自分たちで改装し、オープンにこぎつけたという感じです。
KEDI BASKAN(ケディバシュカン)

モダンでシンプルで壁が白くってスタイリッシュなお店にしたくはなかった

アンティークのインテリアや小物などが並んでいて、個性的でオシャレな雰囲気が漂っている「KEDI BAŞKAN」。いまでは地元の人も観光客も訪れる人気カフェとして知られていますが、オープン後数年はなかなかお客さんが増えずに苦労したと福濱さんが笑いながら話してくれました。
KEDI BASKAN(ケディバシュカン)
オープンするにあたって、“コーヒーと妻が作るご飯が美味しいお店”という軸はありましたが、お店のコンセプトらしいコンセプトは特になかったんです。ただ、人気のあるお店のイメージとして、シュッとしててモダンでシンプルで壁が白くってスタイリッシュっていうのが多いなとは思っていて、自分がやるならそういう雰囲気にはしたくないなとは思っていました。逆に僕と妻が好きだった、アメリカとかヨーロッパのカラフルな内装だったり、アンティーク家具を上手に使ってるようなお家の雰囲気にしたかったんです。
 
そのつもりで作ったので、常滑では他にないお店になったとは思うんですけど、そのおかげかオープンして数年は本当に苦労しました(笑)。僕らが意図していたわけじゃないんですが、個性的なものが好きな常連さんはできても、普通のお客さんがなかなか増えなくて。僕ら的にかわいいと思っているものが一般的には個性的過ぎて受け入れられてなかったのかなと。窓が塞がってて壁一面本棚にしてたりとかで、少し暗かったし、正直、入りづらい雰囲気があったかなと。
 
今思えば当時の僕らは麻痺してたんですよ、今の僕なら入らない(笑)。“これじゃマズい”と思って、店内の雰囲気をパッと明るく変えたんです。だからここ数年ですよ、お客さんが来てくれるようになったのは。本当に気付いてよかったし、来てくれるお客さんには感謝しています。
 

結婚式の披露宴でコーヒーを淹れる演出は面白そうで楽しみです。

NESTbyTHESEAとKEDI BAŞKANに共通するのは、店内のアンティーク家具やインテリアなどのアイテムに、名古屋のアンティークショップ「STOREINFACTORY」(以下ファクトリー)のものを取り入れているところ。そしてファクトリーさんの紹介でNESTbyTHESEAにコーヒー豆を卸すようになったと福濱さんは語ります。
KEDI BASKAN(ケディバシュカン)
ファクトリーさんとのお付き合いは長くて、お店の中の椅子やキャビネット、カウンターなど、結構ファクトリーさんで買ったものが多いです。ある時、ファクトリーさんに行ったときに、NESTさんの内装をファクトリーさんがやるって知って。だったら紹介してくださいって言ったら、ファクトリーさん経由でコーヒーをどうするかを聞いてくれて。そうこうするうちに(NESTの)森田社長がうちに来てくれたんです。実際に試飲してもらって、3種類のコーヒーを選んでもらいました。
 
ファクトリーさんが手がけているっていう意味ではアンティークの雰囲気とかの部分で、うちとNESTさんとの親和性はゼロではないと思いますが、NESTさんの方が洗練されてるなとは思います。うちには変なものも置いてあるので、メインストリームに乗りたいけど乗り切れないと自覚してて(笑)。
 
あと、NESTさんとのつながりで言えば、妻がパッケージの絵を描いてるドリップバッグを名披露目として使ってもらうこともありますね。新郎新婦のおふたりのイメージにあわせてオリジナルのイラストを描くこともできますし、僕がオリジナルブレンドを作ることもできますよ。ただ、妻の絵も独特で個性的なんで、メインストリームに乗れる、かな……(笑)。
 
そうそう今度、NESTさんの結婚式の披露宴でコーヒーを淹れるっていう演出をやる予定で、面白そうで楽しみにしています。今後もなにか関わっていけたら嬉しいとは思っています。
 

profile

「KEDI BAŞKAN(ケディバシュカン)」

日本スペシャリティコーヒー協会コーヒーマイスターの資格を持つ焙煎士の福濱克己さんと料理人の奥さんが切り盛りする、アンティーク家具や本、雑貨に囲まれたオシャレな珈琲店。

address愛知県常滑市青海町1丁目30
tel0569-89-9578
kedibaskan(ケディバシュカン)

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